オーボエのフランス・ドイツ・アメリカ?
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オーボエは歴史的に、ヨーロッパで栄えた西洋音楽の中で成長してきました。
そのなかでも、特にフランスとドイツでオーボエ文化は栄えたため、現在でもオーボエの種類にフレンチスタイルやジャーマンスタイルといったものが存在しています。
フランスの音楽とドイツの音楽と聞いて、あなたはどんなイメージを持つでしょうか。
音楽のイメージなんて人それぞれだと思います。一般的な意見から言うと、フランスの音楽は「フランスのエスプリが効いた」なんて言う言葉があるくらいですから、洒落た、輝かしい、色彩感に富んだ音楽というものが考えられると思います。
対照的に、ドイツは哲学の国。ワーグナー音楽に代表されるような、堅牢で思慮深い音楽というイメージが強そうです。
これは学期にもよく反映されていて、特に私たちがオーボエのリードを選ぶ際にはよく知っておくべきことなのです。
リードを買いに行くと「フレンチ」「ジャーマン」というのを目にすることがあるかと思いますが、これはそのリードの音色の特徴を示しているのです。フレンチは比較的明るめな音色を得意とし、ピッチはやや高めに取りやすく、ジャーマンはその反対です。
フランスとドイツで育まれたオーボエの文化は、その後アメリカにわたります。
もう勘のいい人は想像がついたと思いますが、この「フレンチ」と「ジャーマン」の両方の要素を取り込んだのが「アメリカン」タイプなのです。端的に言えば、アメリカンは中庸なリードだという事になります。
あまり見かけることはありませんが、オーボエが軍楽隊の中でも重要な役割にあったイギリスでは、まるでサックスのような大きな音を作り出すために進化した「ブリティッシュ」タイプもあるのですが、管弦楽や吹奏楽の中では必要とされないため、一般に売られることはありません。
こうした特徴を知っておくと、曲のタイプ、自分の口(ピッチを高く/低くとりやすい)、その日のコンディションなどに合わせて、リードを選ぶことができるようになります。